D003

ギマランエスノックノック(D004参照)に出展したインスタレーション作品です。

作品のタイトルであるポルトガル語 “Bandas” には様々な意味があります。
1:帯(bands) 幅が広く長く薄いもの
2:境目(borders) 区切るもの、区切られたもの
3:つなぎ目(joints) 接している部分、つないでいる部分

この作品は帯状の紙を用いて、それらに上下交互に切り込みを入れて編み込んでゆくことによって創られています。イスラム建築のアズレージョに見られる幾何学模様は、数学的結び目のように常に互いに上下関係が反転しながら交差していく線の集合体です。そのため、その上下関係を反映して切り込みを入れていくことによって、どんなに複雑な模様であっても規則正しく編み込んでいくことができます。

この作品を通じて私達が表現したかったものは、これらの帯でつくられた構造体の持つ力です。 薄い紙の帯一枚一枚はとても弱くぺらぺらなものですが、お互いに編み込まれ支え合うことによって、美しさや強さ、すなわち力が生み出されるのです。

“bandas”という言葉の持つ意味が示すように、境目はあるものどうしを区切るものですが、同時にお互いに接する部分でもあります。 様々な人や文化が存在するからこそ、境目が生じ、またそこに接点が生じることがわかります。
それぞれに異なる文化(例えばイスラム諸国・ポルトガル・日本)を、互いにうまく繋いでいくことができれば、そこから新しい力を生み出すことができる、そのようなことを考えながら、作品の制作を行いました。


設計・施工:セシモ設計(瀬下直樹・淳子)
制作協力:中園貴夫、斎藤愛
撮影:Oficina de Imagem (Alexandre Nunes)

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